個人プロフィール
小木曽 珠希(おぎそたまき)
2006年よりアルバイトを経て一般社団法人日本流行色協会(旧・一般財団法人日本ファッション協会流行色情報センター)に入社。レディスウェアを主に、メイクアップやプロダクト・インテリアのカラートレンド予測、分析、カラーパレット制作、カラー戦略策定、色彩教育に携わる。
Q. 現在のお仕事の具合的な内容は?
1年半~2年先のトレンドカラーの指針を示すカラーパレットの制作、セミナー講師、取材・執筆等です。
Q. 今のお仕事に携わった経緯は?
色に興味を持ち、職業訓練制度で色彩の勉強をしましたが、秘書の仕事をしていたのでそれが仕事に繋がるとは思っていませんでした。転職を考えた時期にJAFCAでアルバイトの募集があり応募、その後職員となりました。今の仕事はやりがいがあると同時に大きなプレッシャーもありますが、何事にも挑戦する気持ちを持って全力で取り組むようにしています。
Q. 商品などの、色を決定するまでの業務の具体的な手順・流れは?
各業界の専門家の方々にお集まり頂きトレンドカラーについて話し合う「専門委員会」を開催、その場で各分野に向けた春夏・秋冬トレンドカラーを年2回選定します。JAFCAトレンドカラーはインターカラー(国際流行色委員会)や消費者のライフスタイルの動向、市場傾向等が反映されています。
カラーチップや布、紙、リボンなど実際の素材から選定するので、JAFCAでは色別素材ボックスを作り日ごろから様々な素材を集めています。
Q. 使用するカラーコード・システム、参考資料などは?
カラーパレット制作や分析には マンセル表色系、JBCC、JCC40を使用しています。トレンドを調査するためには 季刊流行色、スタイルアリーナ、Style.com、様々なファッション誌やデザイン誌を参考にしています。
Q. 業界特有のセオリーやタブーは?
タブーは特に思い当たりませんが、色彩研究所の名取さんもおっしゃっているように光はとても大切です。色を選定するときや色あわせをする時には照明を確認します。
Q. 必要とされるスキル(教育・知識・技術等)、経験は?
色彩の基礎知識です。自分には無いのですが、企業で商品企画やカラーディレクションの経験があれば尚良いと思います。
Q. 日々の情報収集や努力している物事は?
新しいお店や話題の場所には実際に行って自分の目で見るようにしています。街中でもウインドウや人を観察して流行をチェック。気になるものがあったらすぐ写真をとります。
素敵だなと思う物があったらその配色はどういう構成かを意識して分析するように心がけています。また、この仕事は色と配色のイメージや魅力を伝えることが必要なので、その色の魅力や雰囲気を人に説明する場合はどのような言葉を使うと適切に伝わるのかも考えるようにしているのですが、実際に言葉に出してみると結構難しいものです。
Q. 同様の仕事を望む学生や一般の方へのアドバイスは?
様々なことに興味を持つことが大切だと思います。また、トレンドカラーに関わる仕事は華やかだと思われがちですが、意外に地味で地道な作業がほとんどなので覚悟(?)が必要かもしれません。
色に直結する仕事はなかなか見つからないかもしれませんが、何にでも色は関わってくるので色彩について勉強しておくと知識が役立つ時が来るのではないでしょうか。
Q. 仕事で利用する七つ道具を教えて下さい
●1年間の予定表
1年間のスケジュールを一目で確認できるように自作しています。パレット制作管理に必須です。
●人の知識
道具と言っては失礼ですが、周りの人から学んだことが日々の仕事を支えてくれています。
●フラットシューズ
重い資料や一眼レフカメラを持って歩きまわる取材時に必要です。JAFCAに入ってからフラットシューズが 増えました。
●カメラ
日常で、取材で、気になったらとにかく撮影します。
JAFCAが発行している「季刊流行色」はカラーのデータや分析、コレクション情報、展示会情報などが全て 載っており、私にとって本当に役立つ”参考書”のような存在です。
●マンセルブック&測色光
測色する時に必要です。目で見るだけでマンセル値が分かる人を尊敬しています。
●メンディングテープ
カラーチップを貼るときに愛用しています。